故意 犯 確信 犯 違い

故意 犯 確信 犯 違い

「故意犯」と「確信犯」は、どちらも「わざとやった」という印象で語られがちです。

一方で、法律や言葉の本来の意味に照らすと、両者は同じではありません。

特に「確信犯」は、近年「悪いと分かっていてやる人」という意味で使われる場面が増えていますが、専門家は本来の意味(信念に基づく行為)を重視して説明しています。

この記事では、故意 犯 確信 犯 違いを軸に、定義・関係性・誤用されやすいポイントを整理し、会話や文章で誤解を避ける言い方まで具体的に解説します。

故意犯と確信犯は「動機」で分かれます

故意犯と確信犯は「動機」で分かれます

結論として、故意犯と確信犯の違いは主に「動機」にあります。

故意犯は、犯罪であると認識しながらあえて行う犯罪です。

これに対して確信犯は、本来、政治・宗教・道徳などの信念に基づき「自分が正しい」と確信して行う犯罪を指すとされています。

そのため、関係としては「故意犯(広い概念)」の中に「確信犯(信念型の故意犯)」が含まれる形だと整理されます。

ただし現代では、「確信犯=悪いと分かっていてやる」という通俗的な誤用が広がっており、故意犯とほぼ同義のように扱われる場面も多いと指摘されています。

定義の違いを押さえると混乱しにくくなります

故意犯は「犯罪性の認識」が中心です

故意犯(こいはん)は、過失犯の対義語として位置づけられる法律用語です。

ポイントは、行為者がそれが犯罪になると分かっていながら実行している点です。

動機は限定されず、金銭目的、怒り、自己都合など様々です。

一般に殺人・窃盗などは、故意で行われれば故意犯として理解されます。

確信犯は本来「信念で法に反してでも正しいと考える」類型です

確信犯(かくしんはん)は、本来「政治・宗教・道徳などの信念に基づき、法に反してでも正しいと確信して行う犯罪」を意味すると説明されています。

例として、思想犯・政治犯のように、現行法の規範と相容れない規範を優先するケースが挙げられます。

ここで重要なのは、単に「わざと」ではなく、信念に裏打ちされた正義感が動機として必須だという点です。

「確信犯=悪いと分かっていてやる」は誤用として扱われやすいです

近年(2021〜2023年頃)のビジネス・マナー系メディアでは、「確信犯」の誤用が頻繁に指摘されており、通俗的用法が定着しつつあるとされています。

一方で法律専門家の解説では、確信犯を「信念犯」として捉える本来の意味が繰り返し強調されています。

そのため、文章や説明の場面では、意図せず誤解を招く可能性があります。

「違法性錯誤」とは別の話です

確信犯は「違法だと分かっているが、信念により正しいと考えて実行する」という説明が中心です。

これに対し「違法性錯誤」は、そもそも違法だという認識を誤っている(法を正しいと誤信している)可能性が論点になります。

両者は似て見えますが、専門的には区別して理解されます。

場面別に見ると「違い」が具体的になります

例1:窃盗を「バレなければよい」と考えて行う

他人の財物を盗むことが犯罪だと理解しつつ、利益目的で実行する場合は故意犯と整理されます。

このケースでは、信念に基づく「正しさの確信」は不要で、犯罪性の認識が中心です。

例2:政治的信条から、法律違反と知りつつ行動する

たとえば政治的・思想的な信条に基づき、「現行法に反してでも社会を変えることが正しい」と確信して違法行為に及ぶ場合、確信犯(信念犯)の典型に近いと説明されます。

このように、確信犯は「故意」である点は共通しつつ、動機が信念に根ざしている点が特徴です。

例3:迷惑行為を「わざと」繰り返す人を指して「確信犯」と呼ぶ

日常会話では、「分かっていてやっている」という意味で「確信犯」が使われることがあります。

しかし本来の意味に照らすと、これは「故意にやっている」という意味合いに近く、確信犯(信念犯)とは異なる可能性があります。

誤解を避けたい場面では、「故意に」「意図的に」などの語に置き換えると無難です。

例4:愉快犯・模倣犯は「故意犯の一種」ですが軸が違います

愉快犯は「楽しみ目的」、模倣犯は「他の犯罪を真似る」点が特徴で、いずれも故意犯の一種と整理されます。

ただし確信犯のように「信念」を必須とする枠組みとは異なり、動機や手口の観点で区別されます。

故意 犯 確信 犯 違いの要点

最後に要点を整理します。

  • 故意犯は、犯罪であると認識しながらあえて行う犯罪です(過失犯の対義語)。
  • 確信犯は本来、政治・宗教・道徳などの信念に基づき「正しい」と確信して行う犯罪を指すとされています。
  • 関係性は、概ね故意犯(広い)⊃ 確信犯(信念を伴う)です。
  • 現代では「確信犯=悪いと分かっていてやる」という誤用が広がり、故意犯と近い意味で通俗化しています。
  • 誤解を避けたい場面では「故意に」「意図的に」などの表現が安全だと考えられます。

迷ったときは「意図」と「信念」を言い分けると伝わりやすいです

会話では通じてしまう表現でも、文章や仕事のやり取りでは、言葉の定義の違いが誤解につながる可能性があります。

「確信犯」を使う場合は、信念に基づく行為を指しているのか、単に故意(意図的)と言いたいのかを一度確認すると安心です。

もし「わざとやった」という事実だけを述べたい場合は、「故意に行った」「意図的だった」と書くと、読み手の解釈がぶれにくいと思われます。